xkenko’s blog

ダイエットから健康の維持まで、広く発信させていただきます。

健康に配慮した飲酒に関するガイドラインをご存知ですか?

厚生労働省から、健康に配慮した飲酒に関するガイドラインが発表されました。

飲酒については、人それぞれによって、飲める量は違うと思いますが、それによる健康へのリスクについてははっきりとはわかりませんでした。

それに答える内容が、ガイドラインとして発表されたのです。

 

(1)アルコールの代謝

飲酒した際、飲んだお酒に含まれるアルコールの大半は、小腸から吸収され、血液を通じて全身を巡り、肝臓で分解されます。

 

アルコールは、肝臓で、アセトアルデヒドに分解され、さらに酢酸へと分解されます。酢酸

は筋肉や心臓に移動してさらに分解され、最終的に炭酸ガスと水になります。

 

アルコールの分解には、体内の分解酵素と呼ばれる物質等が関与していますが、体質的に分解酵素のはたらきが弱いなどの場合には、少量の飲酒で体調が悪くなることもあります。

 

(2)飲酒による身体等への影響

アルコールは血液を通じて全身を巡り、全身の臓器に影響を与えるため、飲みすぎ

た場合には、いろいろな臓器に病気が起こる可能性があります。

飲酒による影響には個人差があり、例えば年齢、性別、体質等の違いによって、それぞれ受ける影響が異なります。

 

1.年齢の違いによる影響

高齢者は若い時と比べて、体内の水分量の減少等で同じ量のアルコールでも酔いやすくなり、飲酒量が一定量を超えると認知症の発症の可能性が高まります。

あわせて、飲酒による転倒・骨折、筋肉の減少の危険性が高まります。

 

10 歳代はもちろん 20 歳代の若年者についても、脳の発達の途中であり、多量飲酒によって脳の機能が落ちるとのデータがあるほか、健康問題(高血圧等)のリスクが高まる可能性もあります。

 

2.性別の違いによる影響

女性は、一般的に、男性と比較して体内の水分量が少なく、分解できるアルコール量も男性に比べて少ないことや、エストロゲン(女性ホルモンの一種)等のはたらきにより、アルコールの影響を受けやすいことが知られています。

このため、女性は、男性に比べて少ない量かつ短い期間での飲酒でアルコール関連肝硬

変になる場合があるなど、アルコールによる身体への影響が大きく現れる可能性もあります。

 

3.体質の違いによる影響

アルコールを分解する体内の分解酵素のはたらきの強い・弱いなどが、個人によって大きく異なります。

分解酵素のはたらきが弱い場合などには、飲酒により、顔が赤くなったり、動悸や吐き気がする状態になることがあります。(これを「フラッシング反応」と言います。)

 

分解酵素のはたらきの強弱は、遺伝子によるものと言われています。

東アジアではこの分解酵素が弱くフラッシング反応を起こす方々が一定数存在し、日本では41%程度いると言われています。

 

そのような人が、長年飲酒して、不快にならずに飲酒できるようになった場合でも、アルコールを原因とする口の中のがんや食道がん等のリスクが非常に高くなるといったデータがありますので注意が必要です

 

(3)飲酒量(純アルコール量)と健康に配慮した飲酒の仕方等について

アルコールのリスクを理解した上で、純アルコール量に着目しながら、自分に合った飲酒量を決めて、健康に配慮した飲酒を心がけることが大切です。

 

1.飲酒量の把握の仕方

お酒に含まれる純アルコール量は、

「純アルコール量(g)=摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」

で表すことができ、その量を数値化できます。

 

飲酒をする場合には、お酒に含まれる純アルコール量(g)を認識し、自身のアルコール摂取量を把握することで、例えば疾病発症等のリスクを避けるための具体的な目標設定を行うなど、自身の健康管理にも活用することができます。

 

単にお酒の量(ml)だけでなく、お酒に含まれる純アルコール量(g)について着目することは重要です。

 

(お酒に含まれる純アルコール量の算出式)

摂取量(ml) × アルコール濃度(度数/100)× 0.8(アルコールの比重)

例: ビール 500ml(5%)の場合の純アルコール量

500(ml) × 0.05 × 0.8 = 20(g)

2.飲酒量と健康リスク

飲酒量(純アルコール量)が少ないほど、飲酒によるリスクが少なくなるという報告もあります。

 

個々人が疾患などの発症リスクにも着目するなどして、健康に配慮することが重要であると考えられます。

 

例えば、高血圧や男性の食道がん、女性の出血性脳卒中などの場合は、たとえ少量であっても飲酒自体が発症リスクを上げてしまうこと、

大腸がんの場合は、1 日当たり 20g程度(週 150g)以上の量の飲酒を続けると発症の可能性が上がる等の結果を示した研究があります。

 

少量でも

男性:高血圧、胃がん食道がん

女性:脳卒中(出血性)、高血圧

 

20g程度(週 150g)

男性:脳卒中(出血性)、大腸がん、前立腺がん

女性:胃がん、大腸がん、肝がん

 

20gの目安

ビール(5%) 中瓶1本(500ml)

日本酒(15%) 1合(180mg)

ウィスキー(43%) ダブル1杯(60ml)

ワイン(12%) グラス2杯弱(200ml)

酎ハイ(7%) 缶1本(350ml)

焼酎(25%) グラス1/2杯(100ml)

 

あなたも、リスクを考えながら、飲酒しましょう。